モンドラゴン 社会的セクター
http://jicr.roukyou.gr.jp/hakken/2000/09/mondragon.htm
福祉国家が経済的に行き詰まって社会民主主義やケインズ的なリベラリズムが凋落して、新自由主義がはやりで、つまり、民営化すればうまくいくという乱暴な議論が説得力をもってしまっている。
問題なのは福祉国家の否定イコール市場主義という二者択一、いいかえると、公共部門を、国家集権か民営化かという選択でしか思考できなかったことだ。
それで最近読んだ、「アソシエーション」関係の議論で面白かったのは、NGOやNPOの台頭を背景に、公共部門を民間の公共目的団体、結社に委譲して、「社会的セクター」(つまりそういう自発的結社による経済部門)優勢の社会にする構想が出ていたことだった。
考えてみれば、現在の制度疲労の問題点の多くは、
1 決定レベルと実行レベルの間に乖離が存在する。そのために、現場レベルでの知識がフィードバックされず、硬直した観念的な方針決定が現場に強制される。
2 国家が公共活動を独占しているために国民は利用者として単なる消費者として受動的に依存し、決定過程がエリートおよび官僚に独占されてしまう。
ということにあるわけで、より現場レベルに近いところへの権限委譲によって1の問題を、利用者が運営者として決定レベルに参与できる民間の社会的団体に公共活動を委譲することで2をクリアできる。
具体的に協同組合が解になるかどうかはともかく、国家と個人の間に、自生的な共同体ではなく、選択された共同体としての「社会」つまり「結社」のネットワークのレベルを考え、このレベルの政治的、経済的重要性をたかめることは重要だと思う。
政治経済的なオープンソース的活動といってもいいのかも。
というわけで、リンクは協同組合の有名な成功例らしいモンドラゴン。