■ 以後、この日記は小説日記になります。
これから小説を書いていくのはぼくの小説を書く能力のリハビリテーションでもあり、エキササイズでもあり、また、同時に、自分がなぜ書くということに妙に固執しているのかを知りたいからでもある。掌編とはいえ、手を抜くつもりはないし、いくさの現実がぼくの「文」へどう影響するかも図りがたい。それは醜悪な反映におわるかもしれないし、またこのようなこころみじたいが逃避にほかならないかもしれない。それを知るために、ぼくは書く。
■ 短歌日記イラク戦争
死ぬほどの憂鬱ゆえにこころあらばいくさのことはむねにひそめよ
いくさとはむなしき言の葉にしあれいかに夢見む血まみれの日に
義しきと揚言せむはおろかとぞきみがうつろなニヒリズム聞く
言葉こそ武器だとひとは思うらしすでにうつつを愛すひとなし
平和という漢字を書いて悩みつついつくしむべき声音うしなう
言葉とは夢の繁殖うつくしき敵なるひとと交わすやさしさ
夢のうちに夢の楽土ぞあれよかし幻に似たうつつ騒がし
きざしやらしるしとやらに飽き果ててただくろがねのかたさ恐れし
世も知らずいくさも知らず義も知らずひとえにきみの言葉求めし
いくさの日過ぎ去りし車体をながめつつ轢殺される我を仮想し
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