地域通貨と投げ銭システム
■ where is YOU?
http://d.hatena.ne.jp/tau/20030405
すっごい圧縮して言うと、神経質でたいへんそうなところ、にもかかわらず基本的な善意というか品格というか、すごいまっとうな距離感とすこしはずかしい理想主義的なところがある、そういうところをぼくは可憐と感じるのかもしれません。
それにぼくは、YOUさんは実は笑うことで自他を救っているところがあって、それは、自虐的な弱さではなく、両義的な、ドンキホーテに似た、強靭さでもある、という感じがします。たしかにある種のイメージ、イコン、ポップな存在としてのオーラを失って以後の姿かもしれないのですが、しかし、イメージではありえない存在を受容するということは笑い飛ばすことで肯定するということであり、そして、自らを許すということでも有るし、と、同時に「ちょっとあったまおかしかったんですよ、あたし」みたいに戯画化して語ることでもあり、でありながら、まっとうなバランス感覚と生活レベルでのリベラルな批評的立ち位置を見失わない、ということはいまも「不思議ちゃん」的な存在が生き続けていて、その彼岸的な世俗との距離感と、世俗的な「見もふたもない」批評精神との両者を統合することに寄与している、ということだとおもいます。
我が儘な馬鹿女とか不思議ちゃんという男のステレオタイプを演じて見せるときの彼女の嬉々とした様子はやっぱり、ちょっとあったまおかしいです。それはラジカルな感性がそこにあるんだとおもうし、引用したかったのですが、もう更新されてしまった、過去のラジオでの藤井隆とのからみで、(藤井君もある意味あたま同じような意味でおかしいですが)、ふたりで、むかしのラジオの録音というていでやっていて、彼女はわかいころの自分を演じていて、語尾をわざとのばしてみたり、「わに、飼ってるの」っていきなりいってみたりと、それはたのしそうなのです。
そういうあたまおかしいところをさして可憐、とぼくはおもうのかも、しれません。
■ だいぶまえにキーワード化した、地域通貨。
投げ銭システムに、こういう側面を見ていく、というのはどうか。つまり、ふつうのおかねのネット版のアナロジーとか代替としての側面(もあるんだけど)、ではなく、交換ではなく贈与として考える。
イサカアワーというのは、イサカの町で通用する地域通貨だ。それは、基本的には、時間を単位にして、お互いに、相手にしてあげられる労務、お手伝い、サービスの交換につかう。つまり、ひとつの町で通用するかたたき券。
地域通貨の利点は、地域内部でまわるので、グローバルな経済に搾取されない、価値が外部に逃げていかない。コミュニティの成員が具体的なつながりをもつことができる。
だから、単純に、汎用お礼用チケットみたいにかんがえればいいのでは。思うに、市場が形成されて投機がおこなわれて、相場が生まれて、ということにはならないのだから、投げ銭というのは結局、贈与の経済に属すると思う。
まあ、具体的にどうなるかは、今後の推移。ただ、それとはべつにいまの世界にとって、地域通貨が持つ意味は知っていて欲しい。キーワードやリンク先もごらんになってください。
■ はてなダイアリーへの要望
で、最近また、ストック・テキスト類似のアイディアが出てきているみたい。付箋テキストといういい方でもいいかも。ある意味すっかりWIKI化してしまうという危険もあり、多少、キーワードともかぶるんだけど。
ストック・テキスト、付箋はその日記のそのリンクにユニークで、同じ語ならすべて同一のページにつながるキーワードやwikiとは違う。
さらに著者によっても同一の語で違う。
ただ、キーワードシステムがはてなのコミュニティ志向というコンセプトと関係してるだけにこのへんの競合はどうなんだろう、という気持ちはないではない。
■ うそ過去日記、あるいは虚構歴史日記という
コンセプトは面白いし、一般化して厳密にやればまさにテーブルトークなんだけど、当然ただやるだけでは、複数のひとのあいだで、記述されるないようが相互に矛盾してくるわけで、それを避けるには、
1 マスター、あるいは相互に合議で調整。
2 厳密にルールを決めて、相互に矛盾する行動をそもそも取れないようにする。
という選択肢があって、そのへんをどうするか、ターン制をどう決めるか、などいろいろむずかしい。とはいえ、おもしろそうではある。
ターン制のルール。
まず、参加者の間で、順番を決める。
で、ある日の日記に最初の人が書く。で、つぎのひとの日記にtrackback。
確認したら、つぎのひとが、書く。
というので、進めていく。
で、とりあえず思い付いた相互矛盾排除ルール。
1 相手の言動を記述してはならない。
2 自分が存在する場所を明記する。(そしてシステム段階で、存在できる場所選択肢を限定しておく)
まだ再考の余地があるな。
設定世界として提案して面白そうなものはやはり孤島ものの探偵小説では。
これぞ本当に、真犯人が未定の推理小説という。
収拾がつくのか疑問だけど。
あるいは、参加者全員が、ある部屋なり場所に関してはマスターになって、本文がリアクションとなり、参加者のリアクションは、コメント欄でやる、という手もあるな。
■ 迷路、あるいはマルコポーロの見えない都市
過去日記領域で迷路をつくる、というもあり。たまにwikiだと実際にやってるひとがある。迷路といっても僕としては見えない都市といいたい。
任意の過去日付の日記である都市の架空の場所を記述する。そしてそこから行ける場所として、トラックバックで出口を指定する。それはとりあえず自分の日記でも良いが他人の(参加確認が取れた)でもよい。
このようにして入り組んだ架空の都市の案内ガイドが増幅していく。
これはRPG企画と違って、基本的に、ストーリーではないので、楽。
ポオの庭園ものと似ていて、風景のうつくしさ。
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