■ vermilion
* 地下12階(相当):id:nobody:20030421#1050926747 [ 21Apr03 ](β)「深く潜れ(仮称)」
* 5階:id:crea555:20030421#1050933765 [ 21Apr03 ] (β)「レディオ・ヘッド」
* 17階回廊:id:hinocha:20030423#1051074560 [ 23Apr03 ] (β)「果ての無い道」
* 17階1号室:id:hinocha:20030424#1051165721 [ 24Apr03] (β) 「何の変哲も無い日常」
* 22階:id:crea555:20030423#1051030005 [ 23Apr03 ] (β)「青い薔薇」
* 72階4号室:id:nobody:20030424#1051161390 [ 24Apr03 ] (β)「空室あります」
* 72階8号室:id:nobody:20030423#1051102464 [ 23Apr03 ] (β)「誘惑」
* 72階16号室:id:nobody:20030422#1050993814 [ 22Apr03 ] (β)「素晴らしきこの世界」
* 276階:id:jouno:20030424#1051126725 [ 24Apr03 ] (β)「虹と沈黙 その一」
* 1013階:id:nacanan:20030424#p4 [ 24Apr03 ] (β) 「歌」
あとでレビューする予定。
■ 日本人キーワードに関連して
http://www.geocities.co.jp/Berkeley/3776/modern_nationalism.html#top
概括的な国民国家についての解説。
http://www.mag.keio.ac.jp/~fumika/concon1/nation.html
参考文献
■ ところで、そんなひまはないはずなのに提案
書評者、映画評など、感想レビュー日記を書いている皆さん。
google:完全なる真空 つまり架空書籍、映画、音楽についての批評を書くという遊びをやってみませんか。
ちなみにぼくは参加できる確率ひくすぎ。(感想書くの苦手)
■ ああ、またアンカーがずれる
ともかく、下の小説。うーむ、やっぱブランクがたたって、冗漫。せめて続きはもうちょっとおもしろくしよう。
■ vermilion::text in 276F "虹と沈黙" その一 β
リーナがその家にやってきたのは七の葡萄月のある晴れ渡った夜のことだった。夕暮れがドーム上の空から去りつつあり、暗闇の翼がようやくその不安な美しさで世界を抱擁しようとしていた。さながら、すべてがその新鮮な闇の中で歌い始めようとしていた。銀色の風は闇の中に不思議な流線を描き、蔓草のように見えた。
いまでも彼女はその日のことを夢に見ると言い張るのだが、そんなはずはないよ、おまえはまだ片手のこぶし位しかなかったからね、とフィオナは笑って取り合おうとしない。フィオナはいつもそんなふうに彼女を赤ん坊扱いにするのだったが、それは彼女の年月によって鍛えられたユーモアがつくりだした義理の娘へのいたわりだったのかもしれない。
「周縁」から流れてくる緑の川をリーナは死にかけながら村はずれにながれついたのだった。その小さな幼児がどこから流れ着いたのか知るものはいなかったし、当座はそんなことを詮索するものもいなかった。世界の残酷さをその記憶の無意識の中にきざみこみながら、平穏な村の日々はリーナを楽園の花のように成長させたのだ。人々の記憶の中には今なお泥で汚れ熱に浮かされて死のふちに立っている哀れな幼児の姿が消えてはいなかったが、それでもリーナの微笑みはひまわりよりも周囲を明るくした。
「わたしは星の娘なのよ、フィオナ。そしていつか美しい鳥たちに迎えられて懐かしいそらへと帰るの、そこではすべてが歌っていて、喜びにあふれているのよ」
「そうさな、そうなったらわたしは毎晩あんたを見上げなきゃならないね」
風が強い日だった。はての海から、三日月型の内海へと抜ける運河は老人たちの言う「不安なおしゃべり」をくりかえしていて、何年に一度という風は主婦たちに恰好の話題を提供していた。こうして彼女たちは書かれない年代記をまた一年と刻んでいき、墓の向こう側にまで持っていくのだった。どれだけの愛と悲惨が朴訥な主婦の胸の中にかたく秘められて他界へと運ばれたことだろう。だがもはやそれらを知るものはどこにもいないのだ。
「お聞き、リーナ。大地が震えているよ。悲しいことがあるのさ」
「まあ、フィオナ。大地みたいに偉大なものに何の悲しいことがあるの?」
「偉大なものには偉大な悲しみがあるのさ」
リーナが何を答えようとしていたにせよ、そのとき、鳴り響いたノックによって中断された。ドアを開けると、風とともに吹き込んできたのはリーナの運命だった。
それは暗い顔つきをした若者で、村どころか、この半島のどこでも見かけたことがない決意を隠し、それにふさわしくない夢見るような目つきとを持っていた。それがなんであったにせよ、予期したものとは違ったらしく、かれはひらかれたドアの向こうの光景にしばらくあっけに取られ、それから、静かに微笑んだ。
「申し訳ない、騒がせてしまって」
男はフィオナに、緑の川とそれにまつわる言い伝えのことをたずねた。かれは世界の果てを探しているのだといった。
「なぜ果てを探すの?」
「果ての向こうに何があるか知りたいからだよ」
//
翌朝、フィオナ・バーンズは緊張した面持ちの娘が、なにか言い出しにくそうにしているのに直面しなければならなかった。
「ねえ、わたし、あの、わたし、あのひとを川まで案内してはいけないかしら」
フィオナは、その瞬間に、娘の幸福な子供時代が終わり、それがどのようなものであれ、人生が訪れようとしているのだと悟った。それは彼女にも覚悟を強いるものだった。結局、だれよりもリーナを子ども扱いにしてかわいがることで救われてきたのはフィオナのほうだったのだ。
■ memn0ck
すでにキーワードのコメントにもちょっと書きました。
要望で誰か質問したようですが、ぼくは運営側としては許容という答えが出ると思ってます。
ぼくは自分のことは登録しないほうがよいのではないか、といっているのは、登録する側の自己規制の問題なので、外部的に規制するのはむずかしいとも思っています。なぜなら、キーワード自体は有益かもしれないからです。
だから、削除予定に移す、そして、本人以外が、そのキーワードを削除予定から戻したり、あるいは、削除されてしまったら登録しなおす、ということがおきるかどうか、というのが、最終的な、客観的な判断だと思う。
簡潔に削除予定に移した理由を繰り返しますと、
異論の対象となった事実 自分で自分のサイトを登録したこと
その異論の理由
1 キーワードがその人物の所有であるかの印象を強く与える。また、登録者自身もそういう観念を持ちやすい。そのため、キーワードの編集、削除、移動について、特権的な発言権をもつかのような状況が生まれ、キーワードが共有のものであるという建前に危機が生じる。
2 自分の意識では、また事実問題として宣伝その他、自己の利益のためにはかる登録ではないとしても、実際に参加者に自動リンクを強いる以上、外的な歯止め、基準が必要で、そのためにはそのものがしれわたったり、アクセスされることが、排他的に自分に利益(主観的満足であれ)をもたらすような登録は避ける。
ということです。ただ、くりかえしますが、この二点は、どちらも、具体的な場合に当てはまるかどうかに、あいまいな主観性が入っています。ですから、運営側がこういう基準でどうこう言うことはないだろうし、ぼくもこういう基準を一ユーザーとして主張しているに過ぎない。
で、そのうえで、削除予定に現在あるという状況で、コンセンサスを形成していく、ということは、ごくまっとうななりゆきではないかとおもいます。問答無用で削除されて取り返しがつかないというシステムになっていない以上、今後も、今回のように、個々のケースで、異論が出たらその都度、とりあえずキーワードをペンディングにして解決していく、というほかないのではないでしょうか。
■ ちなみに
これって、ディレクトリ式の、open directoryやyahoo JAPAN のようなものとして理解しているひとと、個人用の便利リンク機能(たとえばblogにはプラグインで指定した友人の名前を自動リンクする機能がある)の類比で考えている人の間の発想の違いも関係しているように思う。
Wiki的なポリシーからいえば、登録も自由だが削除にも文句を言う資格はなくて、ただだまって再登録しなさい、ということになるんだろうけど、日本語WIKIワードと少しだけ関係する話で、自動リンクするという要素が入ってくるからややこしい。
あと、id:memn0ckさん、とくにコンセンサスというのがすでにはてなダイアリーにあるわけではないですし、ぼくの意見が少数派か多数派か自体、ぜんぜん不確定なわけで、むしろ少数派かもしれず、そういう意味では、立っている場所はそんなに違わないと思います。ぼくもえんにゅーす騒動って知らなかったですし。
Comments(in hatena)
alisato『昔、架空書評勝負(http://www2s.biglobe.ne.jp/~ttsyhysh/VBR/VBR99.htm)というのをやったことがありますよ。面白かったけど、対象の本が架空であることをはっきり示さなかったので、実在していると思って探しまわってしまった人が出てしまったのが問題でした。もしやるなら、架空の本であることが、はっきりと判るようにしておいた方がいいでしょうね。文字の注釈だけでなく、目立つようなバナーつけるとか。』
jouno『とりあえずマンパワーを分散させないためにもvermilionの企画としてやってもいいかもしれませんね。』