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Drifting Antigone Frontline

「うる星やつら2」 と 「転校生」 を見た。

2003/03/12 01:19 JST

 ビューティフル・ドリーマーの廃墟的風景へのこだわりは個人的には好きな感じだった。ただ、原作ファンとしては、やはり別物だなあという気恥ずかしさはまぬかれない。おそらく、この世界をかろうじて原作とのつながりにつなぎとめているのは、あたるの普遍性なのだ。ただひとり、あたるは同一人物だといってもいい。それはある意味で、元来の造形が普遍性をもっているからで、追っかけつつ逃げる男としてのかれは観念が現実と一致できないという意味での普遍的な存在なのだ。アニメのラムはわるくいえば媚びたような印象の「かわいい」造形だけども、どちらかというと原作のラムはかわいいというより冷静で知的でちょっとずるかったりするつっこみ役で、本質的に「他者、ストレンジャー」の相貌を持っている。彼女は鬼であり、神だからだ。
 また、面白かったのは、アニメ版にはメガネというイデオローグ、狂言回しがいることで、これは非常に独特のカラーを添えていた。これが許容できるかどうかだよなあ、といつもおもう。この饒舌で観念的な存在。

 いかにして外部へといたるか。些細なことだけど終わり近くでフランケンシュタインが一般的イメージからではなく原作版に準拠して造形されていたことや、反復についての有名なせりふが引用されていたり、まあ、時代だなあといえばそれまでだけど、おもしろいなと思った。

 焼け野原を想像的に再現することにどういう意味があるか。しかし、たしかに廃墟的な都市で住むことはここちよいことには違いない。

 転校生はひたすら小林聡美さんがみたかったので。いいなあ。芸風変わってないし。魅力的だ。