Fly me to the Moon........痛いとこを衝かれる
先日、あんまり月が綺麗なもんだから誘われて用もないのに地下鉄に乗ったのです。大学の近くに住んでいる友人と、久しぶりに話でもしようと思いたった訳でしたが、しかし地下を流れる川の音みたいな馬鹿でかい音を聞いて、気が変わりました。途中下車して、ホームレスの屯するとある公園に入ることにしたのです。
「その人が言うには、そうやって狭い決まりごとの中で巧みな文章を書いたところで、気恥ずかしさというのは、絶対消えないでしょう? 代わり映えせず、玩具を本物と誤認して、通用しないものを、身内で喜んでいたって、退廃するばかりだわ。文学を読むという気持ちで無理に納得してはじめて面白いようなもの、それがいったいなんになるのか、教えて」
つまり、隠語で話しても仕方がないとそのひとは。偽の感情を約束に従って感じたように書いて何になるのか、分かってはいたのですが、変わっていないということは、分かっていなかったのです。
「いい気にならないでよ」
ならねえよ! こんなの駄目だって分かってるよ。
はじめから嘘ならまだいいのです。どうしてそんな設定を必要としたのか、どうでもいいことをしているということは、自己満足ということなのでしょう。意味不明。
もちろん私はそもそも月夜の晩に、電車にふらりと乗ったりしなかったのです。
ところでペンギンは、飛行機を見ていると気をとられて、見上げているうちにすてんと転んでしまうそうです。
なにやってんのさ。
00/11/02