2000/07/15 Sorry for the Night
花が散る。風が誰よりもはやく吹く。言葉はあざむく。ぼくは自分を扱いかねている。
気遣いが欠けているのだ。ぼくには余裕がない。絡むつもりなんかいつもなかった。
けれど、確かなことだけをして生きていくのは耐えられない。
ごめん。と、いえば済むとおもっていてそのうえそれを書くと言うことは、恥知らずなことだろうか。
ぼくには或る意味で、内容の無意味を表現の強度で取り返す以外の活路は残されていないのだ。
伝えたいことはないし、分かって欲しいとおもったことはなおさらない。言葉は分かってもらうためにあるのではなかった。
だからいつも、メッセージや、意図や、ぼくのこころについて、作品から読まれるたびに、不当なことに、すこし、腹が立つ。
そういうんじゃなくてさ、面白かったか、美しかったか、かけがえのない表現だったか、言葉としてどうだったかをさ。
ぼくにとっては内容なんかより、まさにそのような表現で書かれたと言うことだけが重要なんだから。
とはいえ、いったん書かれたものが、そんなふうに字面を通り過ぎて読まれてしまうのは、無理もないといえば、そうなのだけど。